中東情勢の緊迫化による原油価格の高騰で、東京株式市場は9日、急落した。日経平均株価は一時7.6%下落し、終値で5.2%安の52,728.72円となった。投資家はインフレと景気減速への懸念を強めている。
9日の東京株式市場は、中東でのイランに対する米イスラエル軍事作戦の影響で原油価格が急騰し、全面安となった。日経平均株価は午前中に7.6%安の51,526.70円まで下落し、終値は5.2%安の52,728.72円で2月2日以来の安値を付けた。東証株価指数(Topix)も3.8%安の3,575.84で引けた。
原油価格はブレント原油が30%高の1バレル119.46ドル、米原油先物が22%高で111ドル超に達し、2022年半ば以来の高値を更新した。これは2月28日に始まった米イスラエルによるイラン攻撃と、土曜日のテヘラン石油施設へのイスラエル空爆による供給懸念が背景にある。イランではアヤトラ・アリ・ハメネイ師の死去後、息子のモジタバ・ハメネイ師が最高指導者に選出され、強硬派の支配が続くとの見方が広がった。
アセットマネジメント・ワンのチーフストラテジスト、浅岡仁史氏は「市場は中東紛争の影響を深刻に受け止め始めた。紛争が長引けばこの下落は正当化される」と述べた。岩井コスモ証券の有沢正一投資調査部長は、原油高が企業利益に悪影響を及ぼすと懸念を示した。
半導体関連株はアダプテストが11.03%安、東京エレクトロンが6.87%安。三菱UFJフィナンシャル・グループと三井住友フィナンシャルグループの銀行株も3%超下落した。全33業種が下落し、非鉄金属セクターが8.38%安で最悪となった。2週間前には首相の高市早苗氏の刺激策とAIブームで日経とTopixが過去最高を更新していたが、状況は一変した。
一方、金曜日の米雇用統計の低調が米株式の下落を招き、これも東京市場に波及した。