マレーシアのクアラルンプールで開催されたASEAN関連首脳会議で、日本の高市早苗首相はインド太平洋地域の自由で開かれた秩序を推進する方針を表明した。一方、外務大臣の茂木敏充氏は月曜日の会合で、ASEAN、中国、韓国との金融セクターと食料安全保障での協力を強調した。高市首相は日曜日に帰国し、トランプ米大統領の訪日対応に備えた。
2025年10月27日、マレーシアのクアラルンプールでASEAN関連首脳会議が開催され、日本の高市早苗首相は日曜日の日本-ASEAN首脳会議で外交デビューを果たした。高市氏は英語で演説し、「日本とASEANは、長年にわたる幅広い分野での協力により、『心と心のつながり』を持つ『信頼できるパートナー』としての関係を築いてきました」と述べ、「FOIP(自由で開かれたインド太平洋)を日本の外交の柱として再定位し、AOIP(ASEANのインド太平洋展望)との連携を強化して、日本とASEANをより強く繁栄させます」と強調した。出席者からは首相就任への祝意が伝えられた。
高市氏は、トランプ米大統領の日本訪問日程が月曜日に決まったため、ASEAN首脳会議を欠席する案も検討されたが、「中国とASEANへの誤ったメッセージを送る」として、過酷な1泊3日の日程で参加を決断した。フィリピンとオーストラリアの首脳との会談では、安全保障協力の強化を確認した。伴走者の一人は、「この重要な時期に主要国との二国間会談を実現し、ASEAN首脳にこの地域を優先する日本のコミットメントを印象づけた。これは最高のスタートだった」と語った。
月曜日のASEANプラス3首脳会議には、中国の李強首相と韓国の李在明大統領も参加し、茂木外相が高市氏に代わって出席した。茂木氏は、金融セクターと食料安全保障での協力を強調した。首脳たちは、経済繁栄、金融安定、持続可能な開発を促進するための協力、および持続可能な地域サプライチェーンの構築を強調した共同声明を発出する見込みだ。
高市氏のFOIP推進は、恩師である安倍晋三元首相の外交路線への回帰を示す。FOIPは2016年に安倍氏が提唱し、法治、航行の自由、自由貿易を基盤とする。安倍氏の外交顧問だった秋葉毅氏を呼び寄せ、FOIP起草者だった市川恵一氏を国家安全保障局長に任命するなど、政策枠組みを構築した。高市氏はTPPの拡大やインフラ開発、先端技術(AIなど)での貢献を強調し、経済連携を強化する意向を示した。
一方、トランプ氏の高関税政策によるASEAN諸国との摩擦や、中国の経済的接近が課題だ。ある関係者は、「米国とのASEAN関係の不安定さの中で、日本がFOIPを主導しなければならない」と指摘した。