新しいアインシュタインの十字の発見が巨大な暗黒物質のハローを明らかに
ハッブル宇宙望遠鏡を使用した天文学者たちが、新しいアインシュタインの十字を発見しました。これは重力レンズ現象で、遠方の銀河を囲む巨大な暗黒物質のハローを明らかにします。この珍しいクェーサーの四重像は、暗黒物質の広がりに関する新たな証拠を提供します。この研究は、スペインのカナリアス天体物理学研究所の科学者たちが主導し、Nature Astronomyに掲載されています。
新たに特定されたアインシュタインの十字は、一般相対性理論の印象的な例で、NASAのハッブル宇宙望遠鏡による観測で発見されました。アルベルト・アインシュタインの重力による光の曲がりの予測にちなんで名付けられたこの構成は、前景の銀河の重力引きつけがレンズとして作用し、遠方のクェーサーが4つの異なる画像として現れる様子を示しています。
レンズ銀河は赤方偏移0.94に位置し、時空を十分に歪めて背景のクェーサーの画像を赤方偏移1.73で倍増させます。研究者たちは、このレンズが銀河の周囲に予想をはるかに超える暗黒物質のハロー、つまり典型的なシステムのハローの約7倍の大きさのものを明らかにすることを発見しました。「アインシュタインの十字でこれほど拡張された暗黒物質のハローを見たのは初めてです」と、主導研究者のシェリー・スユ、カナリアス天体物理学研究所の研究者は述べました。
この発見は、1985年にペガスス座で発見されたオリジナルのアインシュタインの十字に基づいています。それとは異なり、この新しい変種は、その整列とクェーサーの明るさにより、暗黒物質の分布に関するより明確なデータを供給します。チームはハッブルの画像と地上ベースの分光学を組み合わせ、ハローの構造をマッピングし、その質量が可視の星やガスをはるかに超えて広がっていることを確認しました。
暗黒物質は、宇宙の物質の約85%を占め、見えないままですが、宇宙規模の重力に影響を与えます。この発見は、暗黒物質のハローが銀河を包み込み、その形成と安定性を助けるというモデルを支持します。しかし、ハローの異常な大きさは、数10億年にわたるこうした構造の進化について疑問を投げかけます。
この研究は、ハッブルが目に見えない宇宙を探査する持続的な役割を強調し、ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のような新しい望遠鏡がより深い観測に備える中でもそうです。スユは、「これらのレンズは自然の望遠鏡で、遠方の物体を拡大し、見えない物質について教えてくれます」と述べました。この研究は、国際的な協力で進められ、マックス・プランク天体物理学研究所からの貢献も含まれています。
新しい十字の正確な座標は北半球の空に位置し、世界中の観測所からアクセス可能ですが、その含意はより広範な宇宙論に及びます。それは、暗黒物質のハローが特定の環境でより広大である可能性を強調し、銀河成長のシミュレーションを洗練する可能性があります。