俳優ヴィジャイの政治集会で群衆事故、36人死亡 インドで
タミル俳優から政治家に転身したジョセフ・ヴィジャイ氏が主催した政治集会での群衆事故により、2025年9月28日、南インドで少なくとも36人が死亡した。この事件は、ヴィジャイ氏の新政党を支持するために集まった大勢の群衆の中で発生した。当局は悲劇を引き起こした過密状態の原因を調査中だ。
集会はタミル・ナードゥ州チェンナイで開催され、ヴィジャイ氏の政治団体タミルガ・ヴェトリ・カザガム(TVK)の立ち上げの一環だった。NPRの報道によると、このイベントには数万人の支持者が集まり、その多くは『マスター』や『レオ』などのブロックバスター映画で知られる50歳の俳優のファンだった。群衆事故は正午頃に発生し、群衆が前方に押し寄せたのが原因で、ヴィジャイ氏の演説への興奮や群衆管理の物流的失敗が要因とみられる。
目撃者らは、ステージに近づこうと人々が押し合う中での混乱を語った。「波が打ち寄せるようだった。突然みんなが互いに倒れかかった」と、地元商店主のラジェシュ・クマールという参加者が語った。公式発表では36人の死亡が確認され、犠牲者のほとんどは混雑で踏みつけられた女性と子供だった。50人以上が負傷し入院、うち一部は重体だ。
今年初めに政治参入を発表したヴィジャイ氏は声明で悲しみを表明した。「愛する人を失った家族の心が痛む。これは団結の祝賀の場であるはずだったのに、悲劇になってしまった。」彼は調査が終わるまで選挙活動を一時停止した。タミル・ナードゥ州のM.K.スターリン州首相は高官レベルの調査を命じ、各犠牲者家族に5ラック・ルピー(約6000ドル)の補償を発表した。
背景として、ヴィジャイ氏の政治的野心の高まりが、DMKやAIADMKなどのドラヴィダ系政党が支配する州で明らかになっている。彼のファン層は主に若く都市部のもので、既存のリーダーへの挑戦の可能性が噂されている。しかし、この事件はインドの大型政治集会での安全懸念を浮き彫りにし、2022年のジャカルタ集会で3人が死亡したような類似の群衆事故を想起させる。
単一の情報源に矛盾はなく、集会の規模と緊急サービスの迅速な対応を強調していた。この出来事は、人口密集地域でのセレブリティ主導の政治のリスクを強調している。