上場企業の経常利益、関税と物価高で中期決算減益の見込み

東京証券取引所上場企業の2025年度中期決算発表がピークを迎え、トランプ米大統領の高関税政策と物価高の影響で、総経常利益は2年連続で減少する見通しです。SMBC日興証券の集計では、948社の総利益が前年比2.5%減の19兆円となりました。一方で、半導体やエンターテイメント分野では好調が目立ちます。

東京証券取引所上場企業の2025年度中期決算発表が11月15日金曜日にピークを迎えました。物価上昇の長期化とトランプ政権の高関税政策の影響を受け、総経常利益は2年連続の減少が見込まれています。

SMBC日興証券が集計したTOPIX指数構成銘柄(金融株とソフトバンクグループを除く)948社(全体の92.2%)の結果では、総経常利益が19兆円となり、前年同期比2.5%減でした。特に輸出産業で悪化が顕著で、7大自動車メーカーのすべてが利益減または赤字を計上しました。

トヨタ自動車は2年連続の減益で、米関税が営業利益を9000億円押し下げ、年間利益を1兆4500億円減少させる見込みです。一方、三菱自動車とマツダは5年ぶりの中期赤字を記録しました。マツダのCFO、ジェフリー・ガイトン氏は「米国の関税の影響は結果にかなり大きい」と嘆きました。日米合意で関税は緩和されましたが、影響は残っています。

物価高も逆風で、ヤクルト本社は乳酸菌飲料の販売減で2年ぶりの減益となりました。執行役員の渡辺修一氏は「物価上昇が消費者の倹約を長期化させた」と述べました。

一方、生成AIの普及によるデータセンター投資拡大で半導体関連が好調です。京セラの半導体部門利益は前年比3倍超で、谷本博雄社長は「データセンター関連需要が非常に活発」と自信を示しました。任天堂はNintendo Switch 2の好調で経常利益を80%増やしました。

2026年3月期通期では総経常利益が前年比8.8%減の見通しですが、273社(約30%)が上方修正、118社が下方修正と、環境改善の兆しが見えます。日米交渉解決で対日「相互関税」が15%に引き下げられ、円安(1ドル155円前後)と高市早苗首相就任後の為替動向が製造業の追い風となっています。SMBC日興の保田光氏は「関税の不確実性が4月より後退し、この為替水準が続けば通年で前年超えの可能性がある」と指摘しました。

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