高市早苗首相の政権は、積極財政を主張する新メンバーを含む政府パネルで経済対策の議論を開始した。財政再建と経済成長のバランスを取る施策を進める必要がある。プライマリーバランス黒字化目標の見直しが焦点となる。
高市内閣発足後、経済財政諮問会議が初会合を開き、早稲田大学教授の若田部昌澄氏と経済アナリストの長浜利廣氏が新たに民間議員として任命された。両氏はリフレ派として知られ、積極的な財政政策と金融緩和を重視する。高市首相は日本成長戦略会議にもリフレ派の経済学者2人を追加した。
議論の中心は、新たな財政再建目標だ。リフレ派は名目GDP成長を優先し、これにより債務対GDP比が低下すると主張する。若田部氏は会議で、プライマリーバランス黒字化目標の再検討を呼びかけ、「デフレ時代の産物であり、歴史的役割を終えた」と述べた。
一方、国債を含む国家債務は約1,300兆円に達している。プライマリーバランスは、税収などで政策支出を賄う指標で、黒字化できなければ債務削減は難しい。2002年以来、各政権が黒字化目標を設定してきたが、達成できず、現在の目標は2025~2026年度だ。高市首相は国会で単年度黒字化目標を「撤回」し、多年度でのアプローチを検討すると表明し、来年1月に具体策を指示する方針だ。
経済成長と財政再建のバランスが求められる。金利正常化の時代に金融市場リスクへの警戒が必要で、高市政権の強いリフレ政策により円安が進んでいる。長期金利上昇で国債利払い費が増大すれば、企業投資支援の余力が減る。過度な円安は物価上昇を招き、責任ある財政運営とは程遠い。