フィリピンは、知的財産権の保護・執行に課題がある国をまとめた米国の監視対象リストから、13年連続で除外されました。米国通商代表部(USTR)が発表した「スペシャル301条報告書」は、100以上の貿易相手国における知的財産保護と執行状況を評価するものです。リスト入りは免れたものの、国内での偽造医薬品流通に対する懸念は依然として残っています。
米国通商代表部(USTR)は、100以上の貿易相手国における知的財産保護と執行状況を評価する年次報告書「スペシャル301条報告書」を発表しました。フィリピンは、優先監視対象国リストおよび監視対象国リストのいずれにも記載されませんでした。
USTRは、経済協力開発機構(OECD)と欧州連合知的財産庁(EUIPO)が2020年に実施した調査を引用し、フィリピンが中国、インド、インドネシア、パキスタン、ベトナムと並び、世界中に流通する偽造医薬品の主要な供給源の一つとなっていると指摘しました。また、フィリピン、インド、マレーシア、パキスタンについては、知的財産に関する異議申し立てや取り消し手続きが遅延しているとの報告があることにも触れています。
こうした懸念がある一方で、USTRはフィリピンの知的財産に関する優良な取り組みを評価しました。その一つとして、2024年に商務産業省(DTI)傘下に設置された新しいEコマース局が挙げられます。同局は、電子商取引の規制監督やオンライン上の偽造品対策の強化を目的としています。USTRはまた、Eコマース局がフィリピン知的財産庁(IPOPHL)と連携し、今年度中に覚書(MOU)を締結する見通しであることも言及しました。
さらに、IPOPHLによる知的財産意識向上キャンペーンも高く評価されました。特に、コミック作品「Pirated Inferno」を活用したセミナーの開催や、地方自治体、高等教育機関、非政府組織への訪問活動などが注目されています。報告書では、特別商事裁判所の裁判官が参加したIPOPHL主催の知的財産判決に関する国家司法コロキウムについても触れられています。