長崎・佐世保 ジャズの伝統 若い才能で再燃

長崎県佐世保市で、ジャズの文化が若い世代の取り組みにより蘇っている。地元のジュニア・アンサンブルが結成され、初心者の生徒たちが情熱的に練習を重ねている。この動きは、戦後から続くジャズの歴史を次世代に繋ぐための重要な一歩だ。

佐世保市は、かつて海軍港として栄え、現在も米海軍と海上自衛隊の基地を抱える街だ。戦後、米軍関係者向けに多くのジャズミュージシャンが公演を行い、ダンスホールやキャバレが賑わった。しかし、時代とともにこれらの場所は減少し、ジャズカフェも姿を消しつつある。

そんな中、1991年にボランティアが始めた年1回の「佐世保ジャズ」イベントは、COVID-19禍も乗り越えて存続している。主催者はジャズ文化の消滅を防ぐため、昨年3月に佐世保ジャズ・ジュニア・アンサンブルを設立。地元の小中高生15人が参加し、10月上旬にスタジオで合同練習を行った。大半がジャズ経験ゼロだった。

14歳の中学生、川端聖羅さんは昨年9月にベース担当として加入。1年で即興演奏を習得した。「アンサンブルで一体感を生み出すのがジャズの醍醐味」と語る。指導は41歳の林田美緒さんが務め、市内のジャズスクールを運営。「若い世代にジャズの扉を開きたい」と意気込む。

64歳の前田和孝さんは、希少なジャズバー「ジャズスポット・イーゼル」を経営。春と秋にJR佐世保駅近くで海辺コンサートを2カ月間開催し、老若男女にジャズを紹介。「草の根活動を続け、皆が楽しめるようにしたい」と述べる。

9月から11月の全国文化祭に合わせ、中学校や地域センターでライブとワークショップが実施された。11月の第32回佐世保ジャズでは、ジュニア・アンサンブルが出演。17歳の高校生、平田ふみさんは笑顔で「各プレイヤーの個性が爆発するから退屈しない。生涯追い続けたい」と話す。林田さんは「日常でジャズを体験できる機会を増やし、佐世保をジャズの街と誇れるように」との目標を掲げる。

人口約22万7千人の佐世保は、東シナ海に面し、日露戦争期からの旧日本海軍基地の歴史を持つ。観光地としてハウステンボスや九十九島が人気で、佐世保バーガーとレモンステーキの食文化も特徴だ。

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