アカデミー賞受賞監督のショーン・ベイカーが、『アノーラ』の次回作となる『Ti Amo!』で自身最高額の報酬を手にした。ワーナー・ブラザースのインディーズレーベルであるClockworkが、2,200万ドルで全世界配給権を獲得した。この契約により、脚本、監督、編集、プロデューサーを務めるベイカーに数百万ドル規模の報酬が支払われる。
ワーナー・ブラザースは先週ラスベガスで開催されたCinemaConにおいて、クリスチャン・パークス率いるClockworkレーベルが『Ti Amo!』の権利を獲得したと発表した。本作はベイカー自身が「1960年代から70年代の映画へのオマージュ」と語るイタリアを舞台にしたセックス・コメディである。本件に詳しい5人の情報筋がVarietyに語ったところによると、取引額は2,200万ドルに達し、FilmNationが資金提供した製作予算(1,000万ドル超と予測)をカバーする内容となっている。ベイカーは多額の報酬を受け取ることになり、2017年の『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』でiPhoneを使用するなど低予算制作を続けてきたこれまでの経歴から大きな転換を迎える。これは2025年のアカデミー賞で作品賞を受賞し、ベイカーがウォルト・ディズニーの記録に並ぶ計4冠を獲得した『アノーラ』に続く快挙である。ベイカーは昨年、Neon、A24、ディズニー傘下のサーチライト・ピクチャーズを含む複数のスタジオに本作を売り込み、米国限定の権利で約500万ドルのオファーを受けていた。弁護士のジェームズ・フェルドマンとマネージャーのアダム・カーシュを代理人に立て、キャストや大物スターの起用を前提としない条件で契約を締結した。撮影は脚本が完成次第、9月に開始される予定である。本件に関わったある幹部は「地道にキャリアを積み上げてきたショーンのような映画監督が、ようやく報われ、これまで通りのやり方で映画を作り続けられるようになるのは素晴らしいことではないか」とコメントした。インディーズ映画界が低迷する契約額や映画祭での買い付け難に直面する中、この契約によりベイカーはフランスを除く地域での統一された配給、マーケティング、戦略を初めて手にすることになる。