フランスの老舗メゾンであるカルヴェンは、デザイン・ディレクターを務める英国人デザイナーのマーク・トーマスが4月末をもって退任すると発表した。中国のICCFグループ傘下にある同ブランドは、ブランドのアイデンティティを再活性化した彼のビジョンを高く評価。トーマスはチームと経営陣に感謝の意を表した。
カルヴェンは、マーク・トーマスが新たな機会を追求するために退任すると発表した。同社は「彼のビジョンとデザインはブランドのアイデンティティとスタイルを確立し、カルヴェンをファッション界の表舞台へと力強く引き戻すことに貢献した」とコメント。これに対しトーマスは、「過去数年間、共に働く喜びを分かち合ったすべての人々に心から感謝したい。(…)私にチャンスを与えてくれたショウナ・タオ氏とイエ氏に深く感謝している。新たな冒険へと向かうにあたり、ブランドのさらなる成功を祈っている」と述べた。また彼は、1945年にメゾンを創設したマダム・カルヴェンに対しても敬意を表した。トーマスは2023年、ジョセフやラコステで協業したルイーズ・トロッターと共にカルヴェンに加わった。トロッターは3シーズンを経て2024年12月にボッテガ・ヴェネタへ移籍し、これを受けてトーマスは2025年3月にデザイン・ディレクターに昇格した。メゾンの本社で行われた彼のデビューとなる2026年春夏コレクションでは、洗練されたスタイルが継承された。それ以前、トーマスは『ヴォーグ』に対し「軌道に乗り始めているものを壊す必要はない。私たちはその上に積み上げていくだけだ」と語っていた。国立工芸院で開催された彼の2回目のショーは、『ヴォーグ・ランウェイ』のエイミー・ヴァーナーから「素晴らしい」と評され、キャロリン・ベセット=ケネディのスタイルを彷彿とさせるタンクトップドレスや実用的なコートが注目を集め、より確かな手応えを感じさせるものとなった。カルヴェンは2018年初頭の破産や、現在のICCFグループによる買収といった課題に直面してきた。これまでのディレクターには2014年まで在任したギョーム・アンリや、2018年に退任したセルジュ・ルフィューらがいる。同メゾンは、今後の体制や2027年春夏ショーについては年内に発表するとしている。