科学者らが4万6千年前の永久凍土で休眠状態だった微生物を復活させる
研究者らは、シベリアの永久凍土に閉じ込められて最大4万6千年間眠っていた古代の微生物を成功裏に目覚めさせた。この実験は、これらの微小生物の驚くべき回復力を示している。Nature Communicationsに掲載された発見は、気候変動による永久凍土の融解に伴う潜在的な病原体放出の懸念を引き起こしている。
画期的な研究で、科学者らはシベリア北東部のコリマ川地域で採取された永久凍土サンプルから微生物を抽出・復活させた。永久凍土とは、永久に凍った土壌の層であり、数千年もの間これらの微小生物を休眠状態で保存してきた。ミネソタ大学と国際的な協力者によるチームが主導し、制御された実験室条件下でサンプルを解凍し、古代の細菌を培養することに成功した。
Arthrobacter、Pseudomonas、Micrococcusなどの属の種を含む微生物は、周囲の有機物の放射性炭素年代測定により2万3千年から4万6千年間の休眠期間を経た後、生存性を示した。「これらの微小生物は驚くほど回復力があり、数万年にわたる極寒と孤立に耐え抜いた」と、ミネソタ大学の微生物学者で共同著者のCorien Bakermans氏は述べた。復活プロセスは、サンプルを徐々に温め、栄養素を提供することで、細菌が代謝活動を再開できるようにした。
この研究は、永久凍土での古代生命形態の以前の発見に基づいているが、ここで確認された延長された休眠期間が注目に値する。サンプルは2017年と2018年の探検で採取され、遺伝子解析により、厳しい条件下でも微生物のDNAがほぼ無傷で残っていることが明らかになった。現代の汚染物質は検出されず、復活した生物の純度が確保された。
この仕事の示唆は気候科学に及ぶ。地球の気温上昇に伴い、北極圏の永久凍土が加速的に融解し、長期間休眠していた病原体を環境に放出する可能性がある。「この研究は、温暖化する世界で古代の微生物が現れるリスクを強調している」とBakermans氏は指摘した。この実験で復活した細菌は非病原性であったが、こうした長期休眠後の生存細胞の存在は、永久凍土生態系のさらなる監視の必要性を強調している。
発見は2023年10月24日にNature Communicationsに掲載された論文で詳細に述べられ、極限環境での微生物生存を可能にする進化的適応を強調している。この出来事は、微生物の長寿性と進行中の環境変化との交差点を理解する上で重要な進歩を示す。