ベルファスト出身のラップトリオKneecapが、英国政府によるテロ容疑の不起訴処分という物議を醸す中、セカンドアルバム『Fenian』をリリースした。NME誌のインタビューで、バンドは差別用語の再定義や親パレスチナの立場、そしてアイルランドで高まる文化的自信について語った。彼らは一連の法的闘争を、現実の問題から目をそらさせるための「茶番劇」と表現している。
Mo Chara、Móglaí Bap、DJ PróvaíからなるベルファストのトリオKneecapは、セント・ジョージズ・デーにキングストンのCircuitでセカンドアルバム『Fenian』を発表した。このアルバムは、元来アイルランドの伝承における戦士を指し、後にナショナリストへの蔑称として使われるようになった「Fenian」という言葉を再定義するものだ。Móglaí BapはNMEに対し、「それは1500年前のアイルランドの古い物語に出てくる戦士の一団だった」と説明した。バンドは言語を植民地支配のナラティブに対抗する強力なツールと捉え、蔑称を抵抗のシンボルへと転換させている。彼らはロンドンでのライブを巡り英国政府からテロ容疑で訴えられたが、控訴を含め多額の費用が投じられたにもかかわらず、裁判は棄却された。Mo Charaは「勝つことは分かっていた。この裁判全体がいかに馬鹿げているかを証明しただけだ」と述べた。この論争は、コーチェラ2025での「Fuck Israel, Free Palestine」という掛け声が、シャロン・オズボーンらから非難を浴びたことに端を発している。当初予定されていたアルバムは破棄されたが、プロデューサーのDan Careyと共にストレタムで2ヶ月間を過ごし、法廷闘争やウェンブリー・アリーナでの公演の合間を縫って、より成熟したサウンドを作り上げた。Mo Charaは「障害となるはずの出来事が、むしろインスピレーションになった」と語った。収録曲『Carnival』ではガザの問題から目をそらさせるための陽動として裁判を扱い、『Palestine』にはラマッラー出身のFawziをフィーチャーし、ベルファストとパレスチナの連帯を築いている。また、『Irish Goodbye』のような個人的な楽曲は、Móglaí Bapがうつ病で母親を亡くした経験を反映している。アイルランド語の活性化運動に根ざす彼らは、アイルランド語教育が25年間で400パーセント近く増加している現状を挙げ、「集団としての自尊心」の高まりを評価する。Mo Charaは「宗教的な分断が誰の利益にもならないことを理解している」と断言し、彼らの反ヘイトの立場が反ユダヤ主義という誤ったレッテルとは一線を画すものであることを強調した。今後、彼らは世界中の先住民言語運動を鼓舞することを目指している。