マウスを用いた新しい研究により、体外受精(IVF)の胚をより低い酸素濃度で培養することで、胎児と胎盤の発育が改善する可能性が示唆された。研究者らは、現在の標準である5%の酸素濃度よりも、2%の方が自然妊娠に近い環境であることを突き止めた。この研究結果はbioRxivで公開されている。
ペンシルベニア大学のマリサ・バルトロメイ氏らのチームは、マウスの胚を酸素濃度2%または5%の環境で培養した後、受容メスのマウスに移植した。その後、出生後12週間にわたって子孫の追跡調査を行った。
酸素濃度2%で培養された胚は、自然妊娠によって受精した胚に近いエピジェネティックなパターンを示した。対照的に、5%で培養された胚では栄養外胚葉細胞が多く見られ、これがIVF妊娠で観察される胎盤の肥厚や出生体重の低さの一因となっている可能性がある。
アイオワ大学のエイミー・スパークス氏は、この研究を「今後数十年にわたって引用されるであろう画期的な論文」と評した。バルトロメイ氏は、インキュベーターの変更には一定のコストがかかるものの、IVFの総費用と比較すればわずかなものであると指摘している。
臨床現場での変更を行うには、より大型の動物やヒトを対象としたさらなる安全性および有効性の試験が依然として必要である。