高市早苗首相の政権は「責任ある積極財政」を掲げ、経済成長を重視した税制改正を目指している。2026年度の税制改正では、自動車関連税の議論が焦点となり、税収減の穴埋めが課題だ。地方自治体の反対や脱炭素化との整合性も考慮する必要がある。
自民党の税制調査会は、日本維新の会と共同で2026年度税制改正の与党方針を12月中旬までにまとめる方針だ。焦点の一つは自動車関連税の改正で、車両購入時の燃費基準に基づく税の廃止が業界から求められている。これはトランプ米大統領の関税政策による自動車産業への打撃を緩和するための措置だ。しかし、この税の廃止は地方税収に年間約1900億円の穴を開け、内閣府が道路整備などのインフラ開発資金不足を懸念して反対している。また、この税は燃費の良い車両選択を促すインセンティブとして機能しており、廃止は電気自動車への移行を含む脱炭素化目標と矛盾する可能性がある。
すでに決定されたガソリン暫定税率と軽油引取税の課税方式見直しによる税収減は総額1兆5000億円(国1兆円、地方5000億円)に上る。これを補うため、2026年度改正では一定条件での法人税優遇措置の見直しなどで税収を増やす方針だ。政策効果の薄い事業の廃止も必要とされる。一方、成長戦略の一環として企業投資への税軽減も検討されており、投資額の8%を法人税から控除する税額控除の創設が提案されている。これによる税収減は年間約5000億円規模だ。
所得控除の「年収の壁」引き上げも議論されている。2025年度改正で103万円から160万円に引き上げられたが、国民民主党は178万円へのさらなる引き上げを求めている。日本は主要国で最悪の財政状況にあるため、これは税収減が大きく現実的でないとの指摘がある。自民党税調会長の小野寺五典氏は、物価上昇に連動して数万円単位で段階的に引き上げる自然な仕組みを提案している。