スコット・ベサント財務長官は4月22日の上院公聴会で、IRS(内国歳入庁)の直接提出プログラム「Direct File」を終了させたトランプ政権の決定を擁護した。同長官は、利用者にとって無料と謳われていたこのサービスが、実際には約30万人の利用のために年間7200万ドルの納税者負担を生じていたと反論した。クリス・クーンズ上院議員がこの決定に疑問を呈する一方、ベサント長官は民間の代替サービスの利便性を強調した。
水曜日に開かれた上院の質疑応答で、スコット・ベサント財務長官は、IRSの試験的プログラム「Direct File」を廃止したことに対する批判に反論した。クリス・クーンズ上院議員(民主党、デラウェア州選出)は、簡潔な納税申告において「無料で使いやすい」選択肢であったはずの同サービスを、なぜ政府が廃止したのかと問い質した。これに対しベサント長官は「無料ではありませんでした。約30万人の納税者のために7200万ドルもの費用がかかっていたのです」と答えた。公聴会のC-SPANの映像によると、同長官は利用者の約60%が同プラットフォームを通じた申告を完了できていなかった点も指摘した。ベサント長官は、納税者に対し連邦政府への申告を無料で提供する「FreeTaxUSA」のような民間サービスの利用を促した。IRSが試験運用として開始した「Direct File」プログラムは、条件を満たす単純な申告を行う個人が、民間の税理士を通さずに政府へ直接申告できる仕組みで、限られた対象者に向けて段階的に導入されていた。同プログラムの支持者であるエリザベス・ウォーレン上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)は、再導入を目指す法案を提出している。ウォーレン議員は、イーロン・マスク氏の政府効率化省(DOGE)の取り組みに言及し、「巨大な税務申告代行企業に多大な便宜を図りたいのでない限り、トランプ大統領とマスク氏がDirect Fileを廃止する道理はない」と述べた。財務省の当局者は、民間ソフトウェア企業と提携して無料の選択肢を提供する既存の「Free File」プログラムを拡充する方針を支持している。