トランプ政権は、もともとプエルトリコの家庭用屋根置き型太陽光発電および蓄電池システムの導入を支援するために割り当てられていた約10億ドルの連邦予算を、破産状態にある同島の電力公社へ流用した。この変更により、バイデン政権下で進められていた脆弱な地域住民向けの災害に強い電力供給計画に代わり、天然ガスパイプラインを含む化石燃料インフラが優先されることになる。
連邦議会は、度重なるハリケーンで電力網の脆弱性が露呈したことを受け、低所得世帯約4万戸を対象とした太陽光発電および蓄電池の導入を支援するため、2022年に10億ドルの「エネルギー・レジリエンス基金」を承認した。バイデン政権下のエネルギー省は、不安定な電力システムへの依存度を低減させる目的で、医療上のケアを必要とする脆弱な世帯への配布を計画していた。
昨年トランプ大統領の就任後、同基金はプエルトリコ電力公社(PREPA)へと用途が変更された。エネルギー省は、通常50パーセントとされる自己負担率を1パーセントに引き下げた上で、同公社への随意契約を承認した。また、サンフアンとパロセコを結ぶ天然ガスパイプラインに対し5000万ドルを割り当てた。
先月、40名を超える民主党連邦議員がクリス・ライト・エネルギー長官に書簡を送り、この措置に対する疑問を呈するとともに説明を求めた。議員らは、透明性の欠如、議会の意図の軽視、そして住民のエネルギー料金が高騰する懸念を挙げている。
PREPAは2017年から破綻処理手続きが続いており、これまでに受け取った170億ドルを超える連邦予算から実行に移されたプロジェクトはごくわずかである。2024年、プエルトリコの住民が経験した平均停電時間は70時間を超えている。