ABCは1970年代に制作したシットコム「Mr. T and Tina」において、当初ジョージ・タケイを主役に起用していたが、放送開始前にパット・モリタへと交代させていた。
同番組は、モヤティ・インダストリーズでの勤務のため東京からシカゴに移住した、未亡人の日本人発明家タロウ・タカハシ(通称ミスターT)を主人公としていた。彼が雇った住み込みのベビーシッター、ティナ・ケリー(スーザン・ブランチャード演)との間で、タロウの伝統的な背景とティナのネブラスカ州育ちという文化的な対立が描かれた。
タケイは「コミッショナー・コッター(Welcome Back, Kotter)」のスピンオフとして企画が始まった本作で、パイロット版の撮影を行っていた。1976年の「Starlog」誌のインタビューによると、ABCが放送枠を繰り上げたことでより大衆向けのユーモアを求めるようになり、その結果モリタへの配役変更が行われたという。
「Mr. T and Tina」は、ステレオタイプな描写を理由にアジア系アメリカ人団体から抗議を受けたほか、低視聴率にも苦しんだ。結局1976年に、わずか5話で打ち切りとなった。
モリタは本シリーズへの主演を機に、「ハッピーデイズ」のアーノルド役を降板していた。一方のタケイは、その後も「スタートレック」関連のプロジェクトを継続した。