北海道観光船事業者社長、沈没事故で無罪を主張

北海道の観光船「かざーい」の沈没事故で、事業者社長の桂田誠一被告(62)が12日、釧路地裁の初公判で業務上過失致死罪で不起訴を主張した。この2022年の事故で乗客・乗員20人が死亡、6人が行方不明となっている。被告は遺族に謝罪した。

2022年4月、北海道東部の知床半島沖で観光船「かざーい」が沈没し、20人の死亡と6人の行方不明者を出した事故で、事業者「知床遊覧船」の社長、桂田誠一被告(62)が業務上過失致死罪に問われている。初公判は11月12日、釧路地裁で行われ、被告は無罪を主張した。

被告は公判で遺族に頭を下げ、「会社の社長として事故を防げなかったことを重く受け止めています。言えることはすべて真摯に説明します」と述べた。また、「船長から『天候が悪化する前に引き返す』と聞いていたので大丈夫と思い、出航を許可しました。起訴状に書かれた罪が成立するかはわかりません」と語った。

弁護側は、被告に過失はなく沈没を予測できなかったと主張。政府委託の検査機関が船首甲板のハッチ不閉鎖を見逃したこと、死亡した船長が航路を独断で決めた点を挙げた。一方、検察側は「航行中の天候が運用基準を超え、死亡事故のリスクが予見可能だった」とし、「事故の過失の性質と被害の深刻さから、事業運営全体が杜撰だった」と指摘した。

起訴状によると、被告は風速と波の高さが安全基準を超える予見可能な状況で船長に出航中止を指示せず、26人の死亡を招いたとされる。被告は2024年9月に逮捕され同年10月に起訴、後に保釈された。計12回の公判が予定され、判決は2026年6月17日。

船舶操縦に直接関与しない経営者の刑事責任追及は稀で、悪天候下の運航判断の妥当性が争点となる。

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