中国軍は台湾周辺で大規模な軍事演習「ジャスティス・ミッション2025」を開始し、台湾独立勢力と外部干渉に対する警告として位置づけている。日本政府はこれに対し、海上自衛隊の護衛艦を派遣して情報収集と監視を実施した。演習は米国の対台武器売却と日本の台湾有事発言を念頭に置いたものとみられる。
中国人民解放軍東部戦区は2025年12月30日、台湾周辺で軍事演習を開始した。これは4月以来の同様の演習で、台湾本島を囲む5つの海空域で実施され、主要港湾の封鎖訓練や実弾射撃を含む。「台湾独立」分離勢力と外部干渉に対する「厳正な警告」だと主張している。
演習の背景には、12月17日にトランプ政権が台湾に対し過去最大の111億ドルの武器売却を承認したこと、そして11月に日本の高市早苗首相が国会で台湾有事を「日本存立危機事態」と位置づけた発言がある。中国外務省報道官は「線を越える者や挑発する者には中国の断固たる対応がある」と述べた。国防大学教授の孟祥青氏は、中央テレビでこれを外部勢力の干渉阻止を目的とした「接近阻止・領域拒否」戦略だと説明した。
日本防衛省は12月31日、海上自衛隊の護衛艦を台湾に向け派遣。「演習で新たな動きは観測されていない」との省内幹部談話がある一方、「中国は台湾への武力行使が可能であることを多角的に示す意図があった」との見方も示した。2022年8月の演習では中国が日本の排他的経済水域に弾道ミサイルを発射したが、今回はそのような事態は確認されていない。高市首相の発言以降、中国軍の日本に対する挑発行動が繰り返されており、日本政府は同盟国と連携して冷静に対応する方針だ。
台湾大統領府は演習を非難し、地域の安全保障を損なうと主張。台湾国防部は中国軍の展開を監視し、写真や動画を公開して対応能力を示した。一方、日本側は偶発的衝突のリスクを懸念し、自衛隊の監視を強化している。自由民主党の小野寺五典氏は「中国軍の行動が急激にエスカレートする懸念がある」と指摘した。
これらの演習は台湾海峡の緊張を高めており、日本や米国との関係悪化を招く可能性がある。日本政府は状況を注視し、国際秩序の維持に努める。