日本政府は、ソーシャルメディアを悪用した詐欺防止のため、データ専用SIMカードの購入者の身元確認を携帯電話事業者に義務付ける方針を決めた。この措置は、投資詐欺やロマンス詐欺などの被害を減らす狙いがある。総務省は今年中に関連法改正案を国会に提出する予定だ。
日本政府は、データ専用SIMカードの購入時に身元確認を義務付けることで、ソーシャルメディアを通じた詐欺を防ぐ新たな規制を導入する。従来、音声通話可能な携帯電話の契約では運転免許証などの書類提出による身元確認が求められているが、データ専用SIMカードにはこの要件が適用されていなかった。これらのSIMは主にタブレット端末などで使用され、対面なしのソーシャルメディアでのやり取りを通じて被害者の信頼を獲得し、金銭を騙し取る詐欺に悪用されている。
警察庁の調査によると、2024年4月から9月にかけて摘発されたこうした詐欺のインターネット接続の75%がデータ専用SIMカードによるものだった。また、高度に暗号化されたメッセージングアプリを活用した事例も多い。総務省は、法改正により事業者が個人や法人に対する異常に多い回線数の契約を拒否できるようにする。これにより、犯罪組織への不正転売を防ぐ狙いがある。
現在、大手事業者は自主的に個人1人あたり最大5回線までの契約を原則としているが、法的拘束力はない。法改正後は、過度な複数回線申請を合理的な理由なく行う場合に拒否が可能になる。また、法人の場合、契約担当者の雇用確認も必要となる。こうした措置は、犯罪組織が大量の回線を購入し、詐欺に利用するケースを抑止するものだ。
この政策は、デジタル社会の影で増えるオンライン詐欺への対応として注目されている。政府は、身元確認の強化により、被害を大幅に減少させることを期待している。