労働力不足が深刻化する中、外国人労働者は社会維持に不可欠となっているが、一部の違法行為による懸念が高まっている。政府は先月、新たな外国人対策の基本方針を決定し、共生を目指しつつ規制強化を打ち出した。衆院選キャンペーン中、与野党は建設的な議論を進めるべきだ。
日本では労働力不足が加速し、外国人労働者が社会の維持に欠かせない存在となっている。大半の外国人はまっとうに生活しているが、増加に伴いさまざまな摩擦が生じている。政府は昨年12月、新たな外国人対策の基本方針パッケージを決定した。この方針は、外国人との共生を継続しつつ、国民の懸念や不公平感を解消するため、規制を強化する内容だ。
具体的には、税金や社会保険料の未払い外国人や不法就労者に対する調査を強化する。また、殺人などの暴力犯罪や薬物犯罪以外にも、国外退去の対象となる罪を拡大することを検討する。詐欺や犯罪対策を強め、社会規範の遵守を促すことは、排外主義とは異なり、国民の懸念を払拭するための合理的な措置と見なされる。
さらに、夏までに、自衛隊施設周辺など国家安全保障上重要な土地の外国人取得を規制するかを検討する方針だ。1995年に日本が加盟した国際的な自由貿易協定では、外国企業による支店設置などの目的での土地取得に対する不当な制限を禁じており、規制は協定違反のリスクを伴うため、慎重な検討が必要だ。
衆院選のキャンペーンでは、「良い外国人を入れ、悪い外国人を出す」などの規制強化を求める声が目立つ。これは、昨年夏の参院選で規制強化を訴えた参政党の躍進を意識したものだ。しかし、物価高騰など日常生活の不満を外国人に向けるのは不適切だ。一方で、多文化共生を提唱する声もあるが、外国人人口増加に伴う問題解決には、中央政府が外国人受け入れを推進する一方で、言語や慣習教育を地方自治体に丸投げする現状の改善も求められる。与野党は、受け入れ人数の中長期計画なども含め、多角的な議論を進めるべきだ。(The Yomiuri Shimbun, 2026年2月2日)