自民党の高市早苗首相は11月5日の衆議院質疑で、物価高対策を中心とした経済パッケージの迅速な策定を表明し、野党に協力を呼びかけた。野党は消費税減税や社会保障改革の先送りを求め、政府側は具体策に欠ける回答に留まった。連立与党は両院で過半数に満たず、幅広い党派間協力が不可欠だ。
高市早苗首相は10月24日の所信表明演説後、外交日程の影響で11日遅れの11月5日、衆議院で野党からの代表質問に答えた。これは6月末の通常国会閉会以来、約4カ月半ぶりの本格的な議論だ。立憲民主党の野田佳彦代表は、食料品の値上がりによる家計負担増を指摘し、食品・飲料への消費税率を2年間ゼロにするよう求めた。高市首相は、事業者のレジ改修などの準備期間が必要として慎重姿勢を示した。
ガソリン暫定税率の廃止についても、野党の要求で年内の12月31日実施に合意。野田氏の確認に対し、高市氏は「各党協議の結果に基づき、きっちりと対応する」と応じた。また、低中所得者向けの税軽減と現金給付を組み合わせた制度導入を再確認し、野田氏の迅速設計の提案に「野党を含む慎重な議論のため、国民会議を設置する」と述べた。
与党の自民党と日本維新の会は衆院で3議席、参院で4議席不足し、公明党の離脱後、野党や無所属との協力が法案通過に欠かせない。日本維新の会の藤田文武共同代表は連立を「本格的な改革保守連合政権」と位置づけ、戦後80年の課題解決に向けた保守勢力の結束を強調した。一方、保守色が強い政策は公明党との関係を悪化させるジレンマを抱える。
医療費の高額療養費制度改革では、患者負担上限引き上げ案に対し、野田氏が反対。高市氏は「負担が過度にならないよう慎重に審議を進める」とし、政府は一部高所得者の負担70%増による抗議で結論を先送りした。野田氏は日米同盟を基盤としつつ、防衛費増額に慎重で、安保関連法の違憲部分廃止を主張した。