高市早苗首相の政権下で編成された令和8年度予算は、国民民主党の支持を得て当初案のまま成立する可能性が高まった。一方、債務償還費が30兆円を超える初の予算となり、社会保障費の抑制が不十分として市場の懸念を払拭できていない。金利上昇のリスクが指摘されている。
高市早苗首相の政権は、2025年10月の発足以来、経済成長を優先し、財政再建を後回しにする姿勢を示してきた。令和8年度予算は総額122兆円で、債務償還費が30兆円を超える初のケースとなった。首相は金曜日、記者団に対し「財政規律も考慮しつつ、強い経済と持続可能な財政を調和させる予算に取り組んだ」と強調した。
市場は、この拡張的な財政政策に警戒を強めている。新発10年物国債の利回りは、高市政権発足前の1.6%から2.1%まで上昇し、27年ぶりの高水準となった。補正予算は令和7年度で18兆円超と、ポストパンデミック最大規模だ。一次収支黒字化目標も放棄された。
政治的には、与党の自民党と日本維新の会は参院で少数だが、国民民主党の支持で過半数を確保。玉木雄一郎代表は「予算案に協力する」と述べ、年収の壁見直しなどの要求が受け入れられた。これにより、1月の通常国会での審議がスムーズに進む見込みだ。一方、立憲民主党は「無駄遣い」と批判し、修正案を検討するが、野党統一は難しい。
社会保障費は総支出の3分の1を占め、半ば改革にとどまる。医療機関への報酬は30年ぶりに3%以上引き上げられ、患者負担の上限も引き上げるが、前政権の提案より大幅に縮小。結果、7600億円の増加を抑えきれず、1500億円の節約にとどまる。想定金利は3.0%に引き上げられ、利払い費は前年度比2.5兆円増となった。将来的な金利上昇が財政を圧迫する懸念がある。2026年夏の経済財政方針で新たな財政健全化目標を盛り込む方針だ。