米上院は、トランプ政権が提案した司法省の「反武器化」基金をめぐる論争により5月中旬から停滞していた、移民取締機関への2029会計年度までの約720億ドルの資金提供を盛り込んだ共和党の調整法案の審議入りを可決した。
米上院共和党は火曜日、移民取締機関への2029会計年度までの資金提供を目的とした予算調整パッケージの審議を進めた。上院は概ね党派に沿った形で、同法案の審議入りを可決した。このパッケージには、移民税関捜査局(ICE)や税関・国境警備局(CBP)などの機関に対し、約720億ドルが提供される見込みである。同法案は5月中旬、トランプ政権が提案した「反武器化」基金に対する超党派の懸念が浮上したことを受け、上院議員らが審議を行わずに休会入りしたことで停滞していた。この基金は、連邦政府から不当な標的にされたと主張する個人への補償手段となり得るとの批判を浴びていた。ここ数日、トッド・ブランシュ司法長官代行は議員らに対し、司法省は「反武器化」基金計画を前進させないと伝え、一部の議員の懸念を和らげた。しかしその後、ドナルド・トランプ大統領は同基金が完全に終了したとは明言せず、その構想を称賛しつつも、現状について弁護士と相談する必要があると記者団に語った。また、今回の調整パッケージ案からは、以前の草案に含まれていた米シークレットサービス向けの約10億ドル近くの予算が削除された。これには、トランプ氏が計画しているホワイトハウスのボールルーム(舞踏室)に関連する警備費用なども含まれている。民主党は今後、上院の長時間に及ぶ修正審議手続きである「ボート・ア・ラマ」を利用し、政治的に困難な修正案の採決を迫る見通しである。予算調整措置は、上院の過半数が法案を前進させることを可能にする予算手続きであり、通常の法案審議で必要となるフィリバスター(議事妨害)を回避するための60票という高いハードルを避け、単純過半数で成立させることが可能となる。