ピッツバーグ・スティーラーズは、NFLの期限であった2026年4月27日を過ぎた翌28日、42歳のクォーターバック、アーロン・ロジャースに対し、無制限フリーエージェント(UFA)テンダーを行使した。これは過去10年間でリーグ全体でも6回しか例のない異例の措置で、彼が他チームと契約した場合に2027年の補償ドラフト指名権を獲得することを目的としている。オーナーのアート・ルーニー2世とマイク・マッカーシーHCは、ロジャース自身の迷いや他チームへの憶測があるものの、契約交渉への影響は軽微であり、間もなく合意に至る見通しであると語った。
ピッツバーグは、ロジャースの2025年の基本給1,365万ドルの約110%にあたるテンダー(2026年分として約1,500万ドル)を提示した。これにより、ロジャースが退団した場合、補償ドラフト計算式に基づき2027年に4巡目指名権を得られる可能性が高い。この措置により、ロジャースは7月22日以降、他チームとの交渉が制限される。もしそれまでに署名がない場合、ロジャースは第10週までスティーラーズとしか契約できないか、2027年シーズンを全休することになる。
ルーニーはNFLネットワークに対し、この措置の主な目的を「アーロンが他チームへの移籍を選んだ場合に備えた補償指名権の確保だ。我々はそうはならないと予想しているが、何が起こるか分からない」と説明した。また、事前にロジャース本人と代理人には伝えており「大したことではない」と述べ、昨年の6月のミニキャンプ(今年は6月2日~4日)に近い時期の契約を期待している。交渉は予想より長引いているものの、「数週間以内に」完了する可能性があるという。
かつてグリーンベイでロジャースを指導したマッカーシーは、今回の措置を「単なるビジネス上の取引」であり、交渉には「何の影響もない」と語った。番記者のマーク・カボリーは、ロジャース自身は無関心であり、OTA開始前(5月18日)の署名を予想している。NFLネットワークのトム・ペリセロは「完全に手続き上のもの」と見なし、CBSのジョナサン・ジョーンズは深層的な不確実性の兆候と指摘した。
この慎重な措置は、2020年以来の地区優勝を目指す中で、ロジャースとマッカーシーが毎週のように前向きな対話を行ってきた背景がある。チームのQB陣にはメイソン・ルドルフ、2025年6巡目指名のウィル・ハワード、2026年3巡目指名のドリュー・アラーが名を連ねるが、ロジャースの年齢を考慮した戦力不安(ブーガー・マクファーランドは9勝8敗の厳しいシーズンと予想)や、ロスリスバーガー引退後の計画の不備を指摘する専門家もいる。
代案としては、ナサニエル・ハケット攻撃コーディネーターとのグリーンベイ時代の縁があるアリゾナ・カージナルスや、ボー・ニックスの足首の回復状況が不透明なデンバー・ブロンコスへの移籍も取り沙汰されている。なお、ピッツバーグはWRのマイケル・ピットマン・ジュニアとジャーミー・バーナード、OTのマックス・イヘアナチョル、RBのリコ・ダウドルを獲得し戦力を補強した。