衣装デザイナーのエレン・ミロジニックが、クリストファー・ノーラン監督の次回作『オデッセイ』の衣装の選択について明かした。デザインは歴史的な正確さよりも、リネン、レザー、ブロンズといった時代に即した素材を使用することで、時代を超越した美学を優先させている。
『オッペンハイマー』でノーラン監督と再びタッグを組んだミロジニックは、監督が「ソード&サンダル(古代史劇)」映画の典型的なクリシェを避けようとしていたことを強調した。衣装は、オデュッセウスとその乗組員のために、風化したブロンズや使い込まれたレザーを使用し、摩耗や質感を感じさせるものとなっている。マット・デイモン演じるオデュッセウスは、旅の過程での疲弊や適応を反映して外見が変化していく。対照的に、イタケの求婚者たちは、アン・ハサウェイ演じるペネロペを待ちわびる中で自身の地位を誇示するため、光り輝くブロンズの装飾品を身にまとっている。神々の衣装は、それぞれの環境に適した実用的なものとなっている。ゼンデイヤ演じるアテナはシンプルなオフホワイトのリネン姿で登場し、シャーリーズ・セロン演じるカリュプソーはドレスの上にネットを纏う。ルピタ・ニョンゴは、ヘレネー役では13.6キロのブラッシュドブロンズの胸当てを着用し、クリュタイムネーストラー役では希少なティリアンパープルの染料を用いた衣装で登場する。ミロジニックは、これらの衣装が、時代を露骨に反映させるのではなく、シルエットや生地の重さの微妙な変化を通じて、現代の観客にこの叙事詩の神話世界を想起させる助けとなることを望んでいる。