3月下旬に94ルピーを突破して以降、2026年度に入ってからの急激な下落が続いていたインド・ルピーは、5月5日火曜日に一時95.28まで下落し、対米ドルでの過去最安値を更新した。原油価格が1バレル110ドルを超えて推移したことでインフレ懸念と国際収支への不安が増大しており、インド準備銀行(RBI)は外国為替ポジションへの制限を設けつつ、市場介入を行っている。
ザ・エコノミック・タイムズ紙によると、ルピーの95台割れを受けて外国為替ポジションに対する制限措置が取られた。ブレント原油先物が110ドル超で推移していることがリスク回避の動きを強め、資本流入を抑制してインド通貨への圧力を増幅させている。RBIは通貨防衛のために介入を行っているものの、原油価格をめぐる懸念と外部環境の脆弱性が引き続き課題となっている。
外貨準備高を積み増すための非居住者インド人(NRI)向けドル預金の優遇措置など、追加対策に関する観測が高まっているが、現時点で実施時期は確定していない。これらの動向は、インド経済が世界の原油価格や投資家心理の影響を大きく受けていることを浮き彫りにしており、RBIの介入は一時的な緩和策にとどまる可能性がある。持続的な回復には、エネルギー価格の沈静化と資本流入の拡大が不可欠である。
今回の節目は、3月の93.73や湾岸地域の緊張を受けた95付近への接近など、2026年度に入ってからの安値更新に続くものであり、ルピーは年間で9.9%下落し、アジアで最もパフォーマンスの悪い通貨となっている。