三菱商事は、米国のイーソン・エナジー・マネジメントのテキサス州とルイジアナ州のシェールガス生産・インフラ資産を総額75億3000万ドルで買収することで合意した。この取引は、同社のガス供給チェーン強化を目的とした過去最大規模の案件となる。
2026年1月16日、三菱商事(8058.T)は、米国のイーソン・エナジー・マネジメントからテキサス州とルイジアナ州のヘインズビルシェール層のガス資産を買収すると発表した。総額は75億3000万ドルで、内訳はイーソンの持分取得に52億ドルと純有利子負債の23億3000万ドル。取引は2026年4~6月期の完了を予定しており、イーソンはクローズ後6カ月以内に資産の最大25%を買い戻す可能性がある。
同資産の生産量は現在21億立方フィート/日(LNG換算で年間1500万トン相当)で、2028会計年度に26億立方フィート/日へピークを迎える見込み。三菱商事は2027会計年度の純利益寄与を700~800億(4億4300万~5億600万ドル)と予想している。
CEOの中西勝也氏は記者会見で、「南部米ガス産出地域で最大級の埋蔵量を持ち、高い生産性と競争力がある」と述べ、「米国内ガス需要の成長を取り込みつつ、日本を含む海外消費者への安定供給を確保し、エネルギー転換の長期化に対応する」と語った。
この取引は、日本企業による米エネルギーセクター投資の最新事例だ。日本政府はガスを2050年以降の移行燃料と位置づけ、AIブームによるデータセンター需要増に対応するため投資を推進している。三菱商事はオーストラリア、カナダ、マレーシア、オマーン、ロシア、米国などでLNGプロジェクトに出資し、年間1500万トンのLNG生産権益を持つ。10月にはJERAが15億ドル、12月には日本石油探査(1662.T)が13億ドルで類似資産を買収した。
発表後、三菱商事株は2%下落、日経平均株価の0.3%下落を上回った。ロイターは6月に買収交渉を報じていた。
日本のエネルギー企業は、トランプ政権の北米投資促進圧力を受け、米油ガス分野への拡大を進めている。三菱商事の主要株主にはバークシャー・ハサウェイが名を連ね、天然ガス事業を強化する戦略だ。