サロンパスで知られる久光製薬は、4570億円(29億ドル)の経営陣による買収で非公開化する計画を発表し、日本製薬業界での同様の動きが加速するとみられている。この発表を受け、同社株は47年ぶりの大幅高を記録した。投資家からの短期圧力と政府の価格引き下げが背景にある。
久光製薬は1月7日、創業家の一員で最高経営責任者の中富一秀氏が支配する事業体による買収で非公開化する計画を公表した。買収額は約4570億円(29億ドル)で、1株あたり6082円の提示価格は前週の終値比約35%のプレミアムに相当する。
この発表の前日、ブルームバーグが買収の可能性を報じた後、同社株は16%上昇。発表当日には1日の値幅制限いっぱいの19%高で引け、1978年8月以来の最大の上昇率となった。公開買付期間は1月7日から2月19日までで、資金は三井住友銀行と三菱UFJフィナンシャル・グループからの借入で調達する予定だ。
この動きは、日本製薬業界全体のトレンドを象徴している。短期投資家からの監視と政府による薬価引き下げの二重の圧力に直面し、企業はコスト削減やポートフォリオ再編、長期投資のための柔軟性を求めて上場廃止を選択している。過去2年間で、三菱たんあべ製薬と大正製薬ホールディングスも非公開化された。また、アクティビスト投資家のダルトン・インベストメンツは、浅田製薬ホールディングスに対し同様の検討を促している。
アナリストらは、久光の事例がさらなる買収の引き金になると予測しており、業界の変革が加速する可能性がある。