武田薬品は、AIを活用して開発した経口乾癬薬ザソシチニブが後期臨床試験で安全性と有効性を示したと発表した。この薬は、既存治療法を上回る効果を発揮し、承認されればAI支援で発見された初の医薬品の一つとなる。
武田薬品は12月18日、乾癬治療薬ザソシチニブ(別名TAK-279)の後期臨床試験結果を公表した。中等度から重度のプレーク乾癬患者を対象とした試験で、この1日1回の経口薬はプラセボや既存のオテズラ(アプレミラスト)と比較して、皮膚の改善が有意に優れていた。同社は2026年度から米国食品医薬品局(FDA)などへの申請を予定している。
ザソシチニブは、AIアルゴリズムが膨大な分子から候補を迅速に特定したことで開発が加速した。ニンバス・セラピューティクス社のCEO、ジェブ・カイパー氏は「アルゴリズムが分子の選定を大幅に速めた」と述べた。武田は2023年にボストン拠点のニンバスからこの薬を40億ドルの前払い金と最大20億ドルのマイルストーン支払いで取得した。
この薬は、主力薬エンティビオのジェネリック競争による売上減少を緩和する戦略の一環だ。ジェフリーズ・ジャパンのアナリスト、スティーブン・バーカー氏は、炎症性腸疾患などの適応拡大でピーク売上が50億ドルに達する可能性があると指摘した。世界の乾癬治療市場は2024年に270億ドル規模で、2032年までに580億ドルに倍増するとフォーチュン・ビジネス・インサイトは予測する。乾癬は世界で1億2500万人以上が苦しむ慢性自己免疫疾患で、かゆみや鱗屑を伴う発疹を引き起こす。