冬の雪国で屋根の雪下ろし中の転落事故が増加しており、適切な安全対策が重要です。消防庁によると、昨年冬の雪害死者68人のうち、除雪作業関連で51人が亡くなり、その9割近くが高齢者でした。専門家は、高所作業の危険性を指摘し、必要性を検討するよう呼びかけています。
雪の多い地域では、冬の厳しい寒さとともに、屋根の雪下ろし中の事故が頻発しています。こうした作業では、安全ラインの着用や単独作業の回避が不可欠です。また、軒下のつららや屋根から滑り落ちる雪による怪我のリスクも伴います。
消防庁のデータでは、昨年冬の雪害による死者は68人に上り、そのうち51人が除雪作業関連の事故で亡くなりました。これらの犠牲者のほぼ90%が65歳以上の高齢者でした。長岡技術科学大学の上村誠二教授は、「高所の屋根から雪を下ろすのは転落の危険が高く、本当に必要か事前に検討すべきです」と述べています。
地域ごとに住宅の耐雪基準があり、積雪量がその基準に達していなければ除雪は不要です。予想外の豪雪で屋根の雪を除去する必要が生じた場合、上村教授は晴天時(雪が柔らかくなる)や雨天時(滑りやすくなる)を避け、気温の低い早朝に2人以上のチームで作業することを推奨します。
作業中の発汗を考慮し、着脱しやすい服装、吸湿速乾性のインナー、防水性の高いウインドブレーカー、ヘルメット、安全ハーネスを着用しましょう。屋根中央にアンカーを設置し、安全ラインを固定するのも重要で、一部の自治体が補助金を出しています。長くてもぐり棒などで雪を下ろす際は、軒下に立たず、突然の雪の崩落に注意してください。
屋根以外でも危険です。軒下に積もった除雪後の雪に埋もれると、身動きが取れず窒息や低体温症の恐れがあります。国立研究開発法人防災科学技術研究所の雪氷研究センター・山下克也主任研究員は、「雪に完全に埋もれたら自力で脱出できないことを忘れずに」と強調します。作業前に家族や近所に知らせ、スマートフォンや非常用ホイッスルを持参しましょう。
家の周囲を歩く際は、滑り止め付きの長靴を履き、足跡のわかる場所を選び、見えない道は棒で探りながら進んでください。屋根から落ちる雪塊による打撲や骨折も深刻です。3メートル高さからの雪は3〜4メートル離れても当たる可能性があるため、山下研究員は「危険な軒先に近づかず、安全な距離を保って歩きましょう」とアドバイスしています。