米企業、福島第一原発デブリ除去の訓練拠点を2029年までに設立へ

米国の原子力廃炉企業アメンタム・サービシズが、福島県双葉町に2029年までに訓練センターを設立する計画を明らかにした。この施設は、福島第一原子力発電所の燃料デブリ除去作業員を訓練するためのもので、2037年頃の本格作業を見据えている。東京電力と協力し、専門人材の確保を目指す。

福島第一原子力発電所の廃炉作業は、2011年の事故以来、国際的な注目を集めている。米バージニア州に本拠を置くアメンタム・サービシズは、2022年にTEPCOと協力協定を結び、廃炉計画の支援を行っている。同社は80カ国で事業を展開し、従業員数は5万3千人を超える。英国のセルラフィールドやウクライナのチェルノブイリ原発の廃炉プロジェクトで技術支援を提供した経験を持つ。

燃料デブリは、原子炉内で溶融した核燃料がコンクリートなどと混ざって固化したもので、1~3号機に約880トンが存在する。TEPCOは2号機で試験的にデブリ除去を実施したが、これまでに0.9グラムしか回収できていない。このデブリは致死的な放射線を放出しており、近づけば数分で命を落とす可能性がある。

廃炉作業の完了目標は2051年で、現在約4,000~5,000人が従事している。しかし、本格的なデブリ除去開始は当初の2030年代初頭から2037年以降に延期された。高放射線建物の解体に時間がかかるためだ。原子炉内での訓練は極めて危険なため、外部施設での訓練が急務となっていた。

アメンタムは双葉町を訓練拠点の場所に選び、昨年10月に現地事務所を開設した。施設は今後1~3年で建設され、リモート制御機器の操作やデジタル技術の訓練を提供する。英国セルラフィールドの事例を共有し、若手人材の育成を図る。

アメンタムのローレン・ジョーンズ上級副社長は「福島のプロジェクトは重要な使命だ。地元研究機関と協力し、若手専門家を育て、TEPCOを支援したい」と語った。TEPCOは「アメンタムとの協力を深め、廃炉作業を着実に進める」と述べている。

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