2022年の安倍晋三元首相暗殺事件の被告、山上徹也容疑者が、奈良地方裁判所での審理で、初めて安倍氏の遺族に謝罪した。被告は、家族に3年半の苦痛を与えたことを認め、自身も家族を失った経験から言い訳できないと語った。安倍氏の妻・アキエさんは前日の審理に出席したが、この日は欠席した。
山上徹也被告(45)は、12月4日の奈良地方裁判所の第14回公判で、安倍氏の妻・アキエさんら遺族に対し、「安倍氏の家族に恨みは全くありません。3年半もの苦痛を与えました。自分も家族を失った経験から、言い訳のしようがありません」と声を震わせて謝罪した。これは被告が尋問を受けた5回目の公判で、前日の第13回公判では謝罪したことがないと述べていた。
安倍氏は2022年7月8日、奈良市で自民党候補の応援演説中に手製銃で射殺された。当時67歳だった。被告は母親が統一教会に1億円を寄付し家族が破産したことを恨み、教会と政治のつながりの中心に安倍氏がいると思い込んで標的にしたと供述。安倍氏の祖父・岸信介元首相が教会を日本に導入したと信じていた。
大阪赤十字病院の和田久医師は検察側証人として出廷し、被告の精神鑑定で精神疾患はなく、動機は境遇や性格から理解可能だと証言。被告は「こんなに大事になるとは思わなかった」と語っていたとし、母親の寄付と兄の自殺を人生の転機とした。被告は教会の解散命令と「二世信者」問題への注目を歓迎し、社会のあり方だと述べた。