奈良地方裁判所で、元首相安倍晋三氏の銃撃事件で起訴された山上徹也被告に対し、検察側が木曜日に無期懲役を求刑した。被告は2022年7月8日の事件で安倍氏を殺害したことを認め、母親の統一教会への多額寄付による家族の破産が動機だと述べている。判決は1月21日に下される予定だ。
2022年7月8日、奈良市で選挙演説中の安倍晋三元首相を自作の銃で射殺したとして殺人罪などで起訴された山上徹也被告(45)の裁判が、奈良地方裁判所で進行中だ。検察側は木曜日の最終弁論で、「戦後日本の歴史で前例のない、目立つ元首相の殺害という犯罪だ。寛容の余地はない」と述べ、無期懲役を求刑した。
山上被告は、母親が統一教会に1億円(約64万ドル)を寄付し家族が破産したことが恨みの原因だと認めた。母親は1991年に夫の自殺後に入信し、被告自身は2005年に自殺未遂、兄は2015年に自殺した。被告は当初、教会の韓鶴子総裁を標的にしたが、パンデミックで来日が難しくなり、安倍氏が教会関連イベントにビデオメッセージを送ったため標的を変更したと述べた。検察はこれを「論理の飛躍」と批判し、「人命を軽視した極めて短絡的な行動」と非難した。
一方、弁護側は被告の悲劇的な生育環境を考慮し、最大20年の懲役を主張。「宗教団体の被害者として、社会に貢献できる60代まで生きるべきだ」と訴えた。被告は最終陳述を求められ「何もない」と答えた。
安倍氏の妻、昭恵氏の代理人弁護士が読み上げた声明では、「夫の突然の死は衝撃的で、長い間夢の中にいるようだった。被告に罪を償うよう求める」と述べた。昭恵氏は法廷に姿を見せなかった。
この事件は、自由民主党議員と統一教会のつながりをめぐる精査を呼び、政府の調査を促した。2023年3月、東京地裁は教会の解散命令を出し、税制優遇を剥奪。新たな募金規制法も成立し、「第二世代」信者の苦しみが注目された。