東京の杉並区にある神道の神社で、来訪者は富や長寿ではなく、予測不能な天気を祈る。 Koenji Hikawa Shrine内の「気象神社」は、結婚式の晴天や雨、気温が事業に影響する人々を引きつける。日本で唯一の天気に特化した神社だ。
杉並区の神田川近くに位置する気象神社は、1944年に旧日本陸軍の気象部跡地に建てられた。軍事作戦が天候に大きく左右されたため、予報の正確さを祈る精神的な支えとなった。戦後、国家神道廃止政策で取り壊しを免れ、Koenji Hikawa Shrineに移設された。現在は2003年に老朽化で再建された。
祀られる神は知恵の神、八溝心思金命(やごころおもいかねのみこと)。神話では、この神の助言で太陽神アマテラスが洞窟から出て、世界に光が戻ったとされる。これが天気とのつながりの基盤だ。
参道には、天気占いに用いられた下駄を模した絵馬や、晴れを呼ぶてるとぼうの人形が並ぶ。気温や季節で売上が左右される企業も訪れる。神社では晴天祈願のお守り、天候関連の病気の保護、気象予報士試験の成功を祈るお守りを提供する。
昨年11月、食品メーカーMizkan Co.は暖冬による鍋スープ販売減を懸念し、寒い冬を祈願した。12月初旬に寒気団が到来し、同社広報は「神の支援があったのだろう」と語った。
熊本県の高校科学部は、稀な大気光学現象「不知火」を研究し、修学旅行中の好条件を祈った。現象は現れなかったが、天気は晴れた。
神社をPRする中心人物は、46歳の神主、大晋今谷氏。石川県出身で、大学卒業後大手商社に就職し、8年間ロシアに駐在した。2018年に神社出会いを機に退職し、神主となった。2020年から気象を学び、2021年10月に気象予報士試験に合格。
今谷氏は2022年から地元商店街と協力した「天気祭り」を主催。最近の12月開催では、防災イベントや子供向け天気クイズがあり、8歳の石田千花さんが優勝。「天気の知識が増えて、天気予報士になる夢ができた」と話した。
神社には米国やフランスの企業からの祈願依頼もあり、海外メディアの注目を集めている。今谷氏は「気象神社を日本を超えて世界に広めたい」と語る。