コンピューターシミュレーションにより、約20億年前の「大酸化イベント」に関与した可能性がある、これまで未知だったマンガンに富む酸化物が特定された。
中国の江蘇師範大学の石景明氏率いる研究チームは、シミュレーションを用いて、大気圧の最大150万倍に達する圧力下でのマンガンと酸素の何千通りもの組み合わせを検証した。その結果、マントル深部に存在し得る、マンガン原子4個に対し酸素原子1個の構成を持つ安定した化合物が特定された。石氏は、このマンガンに富む酸化物が幅広い圧力範囲で予想外の安定性を示したことを指摘した。この化合物は、マントルと核の境界付近における地震波速度の低下を説明する手がかりとなる可能性があり、また太古の海底にマンガンを供給していた可能性もある。カリフォルニア大学リバーサイド校のティモシー・ライオンズ氏は、これをマンガン循環における潜在的に重要な断片であると評価した。リーズ大学のキャロライン・ピーコック氏は、地震データや大酸化イベントとの関連性は依然として推論の域を出ず、さらなる実験による確認が必要であると述べている。この研究結果は「Physical Review B」誌に掲載された。