第99回アカデミー賞においてAI生成作品の排除を求める規則が強化される一方、「ザ・ゲーム・アワード」や「BAFTAゲーム・アワード」など主要なゲーム関連賞では、AIに対してより寛容な姿勢が取られている。一部で開示義務こそあるものの、全面的な禁止には至っていない。
米映画芸術科学アカデミーは5月1日、第99回アカデミー賞の選考基準を改定し、脚本から映像に至るまでの過程で人間の関与を義務付けたほか、AI利用について調査する権利を留保すると発表した。これらの変更点については既報の通りである(参照:『アカデミー賞、第99回授賞式に向けた新規定でAI作品の選考対象外を明記』)。
こうした措置は、ゲーム業界のアワードとは対照的である。「ゲーム界のアカデミー賞」とも称される「ザ・ゲーム・アワード」は、これまでもクリエイターの受賞スピーチを制限しプロモーションに重点を置いてきた経緯があり、近年のイベントでもAI問題にはほとんど踏み込んでいない。BAFTA(英国映画テレビ芸術アカデミー)は、一部の応募作品に対してAI利用の開示を求めているものの、AIを活用したゲーム自体は容認している。5月1日には、『Sorry We’re Closed』の共同制作者であるC. Bedford氏が、自身の写真がイベントの宣伝に無断転用されたことを受け、BAFTAの生成AIパネルへの関与を公に否定した。同氏はSNSで「この件とは一切関わりがなく、イベントに参加する意図も全くないことを明確にしておきたい」と述べている。
より厳しい姿勢をとった例としては、「インディー・ゲーム・アワード」が昨年、AI利用を理由に『Clair Obscur: Expedition 33』のノミネートを取り消した事例がある。ダーレン・アロノフスキー氏やスティーブン・ソダーバーグ氏のような映画界の重要人物が関わるプロジェクトにおいてもAIへの懸念が高まる中、アカデミー賞が断固とした行動をとる一方で、ゲーム業界は依然としてAI利用に対して寛容な状況が続いている。