ベイラー医科大学の研究チームは、全身麻酔中であっても脳が高度な言語処理を継続していることを発見した。意識のない状態の患者が、品詞を識別し、物語の続きの単語を予測していたことが確認された。この研究結果は「Nature」誌に掲載され、意識と認知に関する従来の認識を覆すものである。
研究チームは、てんかんの手術を受ける患者の海馬におけるニューロンの活動を記録した。意識のない患者に対し、音や短い物語を聴かせながら「ニューロピクセル(Neuropixels)」プローブを使用して測定を行った。
ニューロンは予期せぬ音を検出し、時間の経過とともにその処理能力が向上した。また、神経パターンは名詞、動詞、形容詞を識別しており、発話される前に次の単語を予測する信号も確認された。
サミール・セス博士は「我々の発見は、脳が無意識下でも従来の想定よりはるかに活動的であり、能力を有していることを示している」と述べた。ベンジャミン・ヘイデン博士は、この予測的なコーディングは覚醒していなくても発生すると指摘している。
この研究は、意識が特定の領域における孤立した活動ではなく、脳領域間のコミュニケーションに依存している可能性を示唆している。研究者らは、今回の成果はあくまで1種類の麻酔と1つの脳領域に限定されたものであると注意を促している。