テスラの最新のオートパイロット四半期安全報告書では、3四半期連続でクラッシュ間の走行距離が減少したことが示されている。データによると、オートパイロット使用時は636万マイルごとに1回のクラッシュ、無使用時は99万3千マイルごとで、米国平均は70万2千マイル。批評家は報告の方法論的欠陥を指摘している。
テスラは2025年10月22日、第3四半期のオートパイロット安全報告書を発表し、先進運転支援システム(ADAS)のパフォーマンスに懸念すべき傾向を明らかにした。報告書では、「第3四半期において、ドライバーがオートパイロット技術を使用した走行で、636万マイルごとに1回のクラッシュを記録しました。オートパイロット技術を使用しなかったドライバーの場合、99万3千マイルごとに1回のクラッシュを記録しました。」と述べられている。文脈として、2023年の国立道路交通安全管理局(NHTSA)と連邦高速道路管理局(FHWA)の最新データでは、米国平均で70万2千マイルごとに1回のクラッシュを示している。
これは、オートパイロットが有効な場合のクラッシュ間走行距離が前年比で3四半期連続で減少したことを意味する。以前、テスラはこのデータを1年以上報告を停止した後、昨年再開し、過去の数値を一部修正した。同社はオートパイロットが「平均的な人間の10倍安全」から「9倍安全」への安全主張を調整したが、システムはドライバーの常時注意を必要とすることを強調している。
報告書の方法論は複数の理由で批判されている。自社報告データに依存し、エアバッグや拘束装置が展開するクラッシュのみをカウントし、軽微なインシデントを除外し、クラッシュの生データ数や車両走行距離(VMT)を公開しない。オートパイロットは主にアクセス制限された高速道路で使用され、これらは混合道路の米国基準より安全である。また、テスラのドライバー基盤—しばしば高所得の技術愛好家で新しい車両の所有者—はクラッシュ率を低くする結果を歪める可能性がある。
報告書はオートパイロット有効時の運転を非有効時のテスラ運転および全国平均と比較しているが、主な価値は時間経過による内部トレンドの追跡にある。年次比較は冬の事故増加などの季節要因を考慮する。悪化したデータはオートパイロットの信頼性に疑問を投げかけるが、テスラは正しく使用された場合に安全性を向上させると主張している。