長期試験によると、糖を低カロリー甘味料に置き換えることで有益な腸内微生物が増え、減量の維持に役立つ可能性があることが示唆された。この研究は、300人以上のヨーロッパ人の過体重者を対象とし、甘味料を使用した参加者は10ヶ月後により大きな体重減少を維持した。しかし、専門家は、マイクロバイオームの変化が体重減少自体による可能性があると警告している。
近年、低カロリー甘味料に対する懸念が高まっており、研究ではそれらが空腹の増加、血糖値の上昇、心臓発作や脳卒中のリスク増加と関連付けられている。2023年、世界保健機関（WHO）は、長期的な証拠が不十分であるとして、体重管理のための使用を推奨しないよう助言した。
オランダのマストリヒト大学のエレン・ブラーク氏が、このギャップを埋めるための研究を主導した。研究者らはヨーロッパ全域から341人の過体重または肥満の成人を募集し、2ヶ月間の低カロリー食を実施し、平均10キログラムの体重減少を達成した。参加者はその後、糖分由来のカロリーが10％未満の健康的な食事に移行し、体重維持を図った。
グループのうち171人は甘味料を完全に避け、残りの170人は少なくとも16種類の低カロリー甘味料を使用した食品や飲料で甘いものを置き換えるよう奨励され、種類と量は個人の選択に任せられた。
10ヶ月後、甘味料グループは非甘味料グループに比べて1.6キログラム多い体重減少を維持した。また、短鎖脂肪酸を産生する腸内細菌のレベルがより高く、これらの化合物は過去の研究で血糖調節、心臓の健康支援、体重管理と関連付けられている。
「これは少なくとも食事中の糖を非カロリー甘味料に置き換えることで、体重維持に役立つことを示している」とブラーク氏は述べる。彼女は、試験の長期性、健康的な食事内での甘味料の焦点、および複数の種類の併用が過去の研究との違いの要因だと指摘する。
イスラエルのワイズマン科学研究所のエラン・エリナフ氏は、マイクロバイオームの理解はまだ初期段階であり、健康への影響を評価するのが難しいと指摘する。細菌の変化が甘味料、体重減少、または両方によるものかは不明だ。
結果はNature Metabolismに掲載（DOI: 10.1038/s42255-025-01381-z）。