メトロポリタン美術館は、ファッションを絵画や彫刻と並び称し、再定義する企画展「Costume Art」の図録を公開した。キュレーターのアンドリュー・ボルトン氏は、アートと衣服のつながりを強調するため、アーティストのジュリー・ウルフ氏に紙のコラージュ作品を依頼。図録には、美術作品と衣装をまとったマネキンの写真が並べて掲載されている。
メトロポリタン美術館で開催される「Costume Art」展は、同館の美術コレクションに関連した衣服を探求するもので、「着飾った身体」を主要なテーマとしている。企画担当キュレーターのアンドリュー・ボルトン氏は、自身の目標について「ファッションを視覚的・社会的な形成における主要な場として再構成し、伝統的な芸術作品と同等の位置に置くこと」であると記している。本展は、裸体、妊婦の身体、老いた身体など、さまざまな身体タイプを軸に構成されている。デザイナーのアンナ・リーガー氏は、写真家のポール・ウェストレイク氏、アンナ=マリー・ケレン氏と協力し、美術作品とマネキンをグレーの背景で撮影。トリミングや配置を工夫することで、両者の共生的な結びつきを強調した。図録にはこれらを対比させる画像が掲載されている。ボルトン氏は、身体タイプを紹介する導入として、ジュリー・ウルフ氏に紙のコラージュ制作を依頼し、写真家のナタリー・アグソール氏とのコラボレーションが実現した。ウルフ氏はこのアプローチを「1+1=3」と表現し、アートとファッションから「独自のハイブリッドな実体」を生み出すと語る。「アンドリューのこのアイデアは素晴らしく、展示されている組み合わせに対して異なる視点を与えてくれる」とウルフ氏は述べ、鑑賞者が「それぞれの視点でどのようにパズルを組み合わせるかを考えさせる」ことを目指した。ウルフ氏は、エグザクトナイフやはさみ、保存用接着剤を使用し、ヴィンテージの本のページといった素材を用いて、不完全さも受け入れながら作品を仕上げた。「私はこれらの作品を、完璧ではない、人間の手が触れたものとしての『アナログ』なものにしたかった。切り跡や不規則な部分がありますが、私はそうした美しさが好きなのです」と彼女は説明した。イェール大学出版局から刊行される図録に加え、同館は500部限定の記念ボックス「The Body Electric」を販売する。これにはウルフ氏のサイン入りプリントと、読者が自身でアートとファッションのつながりを見つけられるよう構成された未綴じのページが含まれている。