2024年以降、日本でソーシャルメディアが選挙結果に大きな影響を与え始めている。無党派の候補者や政党がオンライン動画を活用し、未検証の情報が広がる中、選挙の争点を形成している。専門家は、ソーシャルメディア依存のリスクを指摘している。
日本では、2024年を「ソーシャルメディア選挙の元年」と位置づけ、投票行動にソーシャルメディアが広く利用されるようになった。この年7月の東京都知事選挙では、無所属の石丸伸二氏がソーシャルメディアを活用し、約166万票を獲得して2位となった。10月の衆議院選挙では、玉木雄一郎氏率いる国民民主党が同様の手法で議席を大幅に伸ばした。また、11月の兵庫県知事選挙では、オンラインで拡散された動画クリップの一部に未検証情報が含まれており、斎藤元彦知事の再選に寄与したとみられる。
2025年夏の参議院選挙では、参政党が「日本人ファースト」のスローガンを掲げ、外国人政策に関する不満を捉えた動画をソーシャルメディアで拡散。読売新聞の分析によると、同党の公式動画は他の政党を上回る視聴回数を記録し、上院での議席を大幅に増やした。ソーシャルメディア上では、極端な主張や未検証情報が視聴回数を稼ぐために投稿されやすく、AI生成の誤情報も今後増加すると予想される。
国際日本学園大学の山口真一教授は、「ソーシャルメディアでは中傷や名誉毀損、感情的な内容が容易に広がるため、深い政治議論には適さない。ソーシャルメディアの情報だけに頼るリスクを認識する必要がある」と述べている。
これらの事例から、ソーシャルメディアが選挙のダイナミクスを変えつつあることがわかるが、情報の信頼性確保が課題となっている。