日本の飲料大手サントリーの子会社が、米ケンタッキー州のジムビーム蒸留所でのウイスキー生産を2026年いっぱい停止すると発表した。需要低迷と過剰在庫が原因で、ドナルド・トランプ米大統領の関税政策が影響している。停止期間中は施設改善に投資し、他の生産は継続する。
サントリー・グローバル・スピリッツは、米ケンタッキー州クレルモンにあるジェームズ・B・ビーム蒸留所でのバーボンウイスキー「ジムビーム」の蒸留生産を2026年いっぱい停止すると23日に発表した。この決定は、消費者需要の低迷と在庫過剰によるもので、トランプ政権の高関税政策が貿易摩擦を引き起こし、需要をさらに圧迫している。
同社は停止期間を利用して施設の改善投資を行う計画だ。一方、クレルモンの小型フレッド・B・ノー工房やボストンのブッカー・ノー施設では生産を継続し、ボトリングや倉庫業務、訪問者センターも通常通り稼働する。世界で約6000人を雇用する同ブランドは、レイオフを発表していない。
ケンタッキー州のウイスキー業界は厳しい状況に直面している。ケンタッキー蒸留酒協会によると、1月時点で同州の倉庫に熟成中のバーボン樽は過去最高の1610万本に上るが、大半は2030年以降まで瓶詰めできない。消費者支出の抑制、健康意識の高まり、関税の不確実性、熟成樽への税制がセクター全体に影を落としている。
サントリーは2014年にビーム社を1.6兆円で買収し、ジムビームを傘下に収めた。カナダでの米国ウイスキー不買運動も需要減に拍車をかけている。一方、同社は9月にCEOの新波剛史氏が辞任したスキャンダルの余波にも対処中だ。