日本政府主催の初の東京経済安全保障フォーラムが12月15日に東京で開催される。米中貿易戦争やトランプ政権の高関税などのグローバルな不確実性の中で、各国専門家が戦略物資の確保とサプライチェーンの保護について議論する。公私連携の重要性が強調されている。
東京経済安全保障フォーラムは、ニッケイホール(東京都千代田区)で開催され、日本政府高官や欧州、インドの政府関係者、企業代表、シンクタンク専門家が参加する。開会セッションに続き、4つのパネルディスカッションが行われ、政策戦略、官民パートナーシップ、重要鉱物のサプライチェーン安定、国際協力が議題となる。NECやIBM、GMなどの企業が議論に加わる。
このフォーラムは、9月から12月まで続く経済安全保障グローバルフォーラムウィークスの中心イベントで、20以上の関連行事が予定されている。背景には、WTO中心の自由貿易体制の揺らぎ、ロシアのウクライナ侵攻によるサプライチェーン混乱、トランプ政権の保護主義的関税(4月実施)がある。中国は希土類の輸出制限を10月9日に発表し、グローバル生産の70%、精製の90%を占める同資源の戦略的重要性が浮き彫りとなった。トランプ・習近平首脳会談(10月30日)で実施が延期されたものの、民主主義国と権威主義ブロックの対立は続く。
東京大学大学院の鈴木一功教授はインタビューで、「経済安全保障は成長戦略の柱。長期視点で脆弱性を減らし、他国が代替できない『不可欠性』を高めるべき」と述べた。政府はラピダス社に1.8兆円の支援を決定し、2027年までにさらに1兆円超を投入。トヨタ、ソニー、ソフトバンクが投資に参加している。また、南鳥島沖の希土類埋蔵量1600万トンの試掘を1月開始予定だ。
自由民主党の経済安全保障推進本部は12月14日、JBICを活用した企業海外展開支援を提言。サプライチェーン確保とデータセキュリティ強化を求め、投資審査制度の強化も議論中。本部長代理の中曽根康弘氏は「審査の精度向上」が重要と語った。首相の高市早苗氏は11月7日、「戦後最も厳しい安全保障環境」と指摘した。