研究者らは、GATA6因子の減少が大腸がん細胞を胎児のような状態へ変化させ、肝臓への転移を可能にするメカニズムを特定した。この致命的ながんの進行には、遺伝子変異ではなくエピジェネティックな変化が重要な役割を果たしていることが判明した。
ワイル・コーネル・メディスンとマサチューセッツ工科大学の研究チームは、GATA6の消失によりがん細胞がその特化したアイデンティティを喪失することを発見した。この変化は細胞の系譜的可塑性を促進し、血流を通って移動し新たな腫瘍を形成することを助ける。
6月22日に『Cell Stem Cell』誌に掲載されたこの研究では、マウスに移植されたオルガノイドモデルを用いて転移の初期段階を追跡した。研究を共同主導した五藤徳博博士は、GATA6の消失が非転移性の細胞を転移性のものに変える重要なスイッチとして機能すると述べている。
GATA6の発現低下はマウスおよびヒトの肝転移の両方で確認されており、予後不良との相関が見られた。GATA6の活性を回復させると、細胞の転移能力は低下した。
これらの結果は、GATA6が転移リスクのバイオマーカーとして機能する可能性を示唆しており、正常な組織修復を妨げることなく早期の転移を阻止するための戦略につながる可能性がある。