日本の民間宇宙企業スペースワン社が5日、和歌山県のスペースポート紀伊からカイロス3号機ロケットを発射したが、数分後に飛行を中止した。この失敗は、同社が日本初の民間衛星軌道投入を目指す中で3度目の挫折となった。
スペースワン社が開発した全長18メートル、3段式の固体燃料ロケット、カイロス3号機は、5日午前11時10分に和歌山県串本町のスペースポート紀伊から打ち上げられた。しかし、発射約1分後にロケットが回転を始め、5分後に同社は「ミッションの完了が困難」と判断し、飛行を終了したと発表した。ロケットは台湾宇宙機関や日本のスタートアップ企業などの5基の小型衛星を搭載しており、予定では打ち上げから約50分後に高度500キロメートルの軌道に投入されるはずだった。
同社は東京に本社を置き、2018年にキャノン電子株式会社やIHIエアロスペース株式会社などの企業が出資して設立された。スペースワンは、コスト削減と定期的なロケット打ち上げによる商用衛星打ち上げサービスの実現を目指している。今回の打ち上げは、当初2月25日の予定だったが、天候不良などで3度延期された。
過去の試みも失敗に終わっている。2024年3月のカイロス1号機は発射直後に爆発し、同年12月の2号機は打ち上げ約3分後に飛行を終了した。スペースワン社の豊田正和社長は5日午後の記者会見で、「衛星を預けてくださったお客様をはじめ、打ち上げを支援してくださった全ての方々に心よりお詫び申し上げます」と述べた。同社はこれまでの失敗から教訓を活かし、3号機に改善策を施していたが、1段目エンジンの燃焼中に何らかの問題が発生した疑いがある。
現時点で、落下した残骸による人的被害や損害は報告されていない。