カナダのアーケードゲーム愛好家カラン・ブラウン氏が、1974年に任天堂が発売した初のアーケードゲーム『ワイルドガンマン』の、おそらく唯一となるプレイ可能なバージョンを製作した。ブラウン氏は、このエレメカ式シューティングゲームに不可欠な希少なフィルムリールをeBayのオークションで落札。現代の技術を駆使し、オリジナルの部品を保護するためにレプリカ筐体を製作した。
1974年にリリースされた任天堂の『ワイルドガンマン』は、同社がアーケードゲーム業界へ参入する足がかりとなった作品だが、ビデオディスプレイではなく、2台の16mmフィルムプロジェクターと光線銃を使用する仕組みだった。横井軍平氏が設計したこのゲームには、約1000回のプレイに耐えられる耐久性の高いテトロンフィルムが使用されていた。現存するフィルムリールは極めて稀で、2021年にコレクターが発見した2本や、歴史家ケイト・ウィラート氏が同年に言及した無名の映画に映っていたものなど、公に確認されたものは片手で数えるほどしかないため、ブラウン氏のプロジェクトまで動作する筐体は存在しないと考えられていた。ブラウン氏は2025年7月、eBayのアーケード部品オークションで任天堂のロゴが入ったフィルムリールを発見した。「2025年7月のある日、eBayのアーケード部品カテゴリーを見ていたところ、何のことかよく分からないオークションに出くわした」と、ブラウン氏は動画の中で語っている。彼は落札に成功し、学校用のプロジェクターを入手。40年ぶりと思われる上映を経てフィルムをデジタル化した。筐体を再現するために、ブラウン氏は特許をリバースエンジニアリングし、貴重なオリジナルフィルムを摩耗から守るためにオープンソースのビデオ投影ソフトウェアを採用した。その結果、西部劇をテーマにした銃撃戦で交互に映し出されるプロジェクターの仕組みを再現した、現代版のレプリカが完成した。ブラウン氏は今後、オンタリオ・ピンフェストなどの地元イベントでこの作品を展示する予定だ。「北米、いや世界で唯一かもしれない『ワイルドガンマン(1974年版)』をプレイ可能な状態にするという私の旅路に付き合ってくれてありがとう」と彼は語った。