トルコの地中海沿岸にある洞窟で、ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが道具や文化的な習慣を共有していた可能性を示す兆候が見つかった。この発見は、両種が時期をずらして居住しながらも、非常によく似た遺物を残していた「ウチャグズルII(Üçağızlı II)」洞窟における調査によるもの。
京都大学の森本直記氏率いる考古学チームが2020年に同遺跡で初となる本格的な発掘調査を実施した。歯や顎の化石を分析した結果、7万7000年前から5万9000年前まではネアンデルタール人が居住し、その後5万9000年前から4万7000年前まではホモ・サピエンスが居住していたことが判明した。
約2万点もの石器が出土したが、石器製作技術は両時代を通じて一貫しており、Columbella rustica(コロンベラ・ルスティカ)と呼ばれる小さな巻き貝の貝殻を収集する習慣も共通していた。両種の地層から30点近くの標本が見つかっており、その一部には装飾用として加工されたと見られる痕跡があった。
森本氏は、この一貫性は何らかの接触なしには説明が困難だと指摘し、「我々が提案するのは、地域的な接触、文化的な交流、あるいは居住領域の重複を伴うモデルが、考古学的証拠を説明する上で妥当な解釈であるという点だ」と述べた。ジョン・ガウレット氏やクリス・ストリンガー氏ら専門家は、今回の結果が両人類集団の相互作用という長年の難問に新たなピースを加えるものだと評している。