新たなシミュレーションにより、大西洋南北熱塩循環(AMOC)がすでに後戻りできない地点に達している可能性が10~23パーセントあることが示された。
研究者らは、排出量のピーク時期やグリーンランドの氷床融解速度を変えた21種類のコンピュータモデルを実行した。その結果、排出量が2025年にピークに達するという控えめな仮定の下でも、海流が崩壊に向かう可能性が10パーセントあることが示唆された。
オープン大学のフィル・ホールデン氏は、崩壊がすでに避けられないものとなっている可能性は十分にあると述べた。2100年までに海面が274ミリ上昇するというより高い融解速度の条件下では、その確率は23パーセントまで上昇する。
排出量が2100年までネットゼロに達しない場合、崩壊の確率は80パーセントに達する。いずれの崩壊も発生までにはなお数十年を要し、崩壊が不可避となってから平均で84年の遅れが生じ、最も早くて2060年頃の停止が予測されている。
エクセター大学のティム・レントン氏は、排出量を迅速に削減することで、リスクを推定値の下限に近い水準に抑えられる可能性があると指摘した。