東京・赤坂の高級サウナ施設で起きた火災により夫婦が死亡した事件から1週間、警察は事業者を業務上過失致死の疑いで捜査している。被害者らは脱出を試みたが、ドアが壊れ非常システムが作動しなかったという。施設オーナーは非常システムを2年間稼働させていなかったことを認めた。
2025年12月15日正午頃、東京・赤坂の高級サウナ施設「SaunaTiger」の個室サウナで火災が発生し、夫婦2人が死亡した。被害者は美容サロン経営者の松田正成さん(36)とネイルテックニックの妻・陽子さん(37)で、ドア近くに倒れているのが見つかり、病院に運ばれたが死亡が確認された。
警視庁の捜査によると、ドアのL字型ハンドルが外れ開かなくなっており、ガラスドアに傷があり、正成さんの手に打撲の痕があった。サウナ内の非常ボタンは繰り返し強く押された形跡があり、損傷していた。非常アラーム受信機は1階事務所に設置されていたが、作動していなかった。施設オーナーは2年前に引き継いで以来、非常システムを一度もオンにしていなかったと認めている。
焼けたタオルは、被害者らがサウナストーンを包んでドアを壊そうとしたか、煙感知器を起動させるために火をつけた可能性がある。また、床のプラットフォームを使って熱気を防ごうとした跡もあった。
施設は「大人の隠れ家」を謳い、月会費最大39万円、非会員2時間1万9千円から。業界関係者は「ドアは押しで開くのが普通。非常ボタンを未使用は言語道断で、高温多湿環境では定期点検が必要」と指摘した。
地元保健所は2022年7月にホテル業法に基づく許可を与え、複数回立入検査したが、ドアハンドルや非常ボタンは対象外だった。保健所幹部は「検査に不備があった。検討する必要がある」と認めた。